住空間を作るものとしての造作家具
寒さの厳しい北海道で住宅を作るとき、建物のあり方として最も優先されるべきは、構造的な堅牢さや断熱気密性能、冬の貴重な日射を取り入れることができる開口部などの一次的な性能です。 一方で人間の暮らしは、それだけでは成立しませんから、住空間を軟らかく包み、平穏な暮らしをつくるものとして、内部の仕上げ、造作や家具への配慮が重要になります。さらに、旭川のような厳寒の地では他の温暖な地域に比べて内部空間で過ごす時間が圧倒的に多いので、豊かな日常を送るためにはこれらの配慮が特に必要になると考えています。
旭川の家具
旭川は世界的に知られた家具の一大産地です。説明不要と思いますが、とても優れた工場が多く、技術や文化が蓄積しています。
こうした旭川の家具技術を活かして、建築とインテリアを連続的に、人間的かつ合理的につくることが出来ないか。厳寒の地であっても、豊かで人間的、温かみに溢れた日常をつくりだしたい。地域でつくられた美しい家具と一体になった分かつことのできない美しい建物。
トピカの大きなテーマの一つです。
設計段階から
トピカでは設計を行うばかりでなく、自社の設計のみですが施工も行っています。これは、建物を合理的につくりたい、旭川の優れた技術を設計段階から取り入れ、深く理解し、美しく無駄なく構成したいと考えているからです。設計段階から工場に足を運び職人の意見を聞いて、技術に即したデザインを考え、建物の一部として考えます。
地域の技術で風土を理解してつくる。
トピカは風土に合った建物は、地域の材料や職人の技術と不可分であると考えています。また、同時に北海道であれば、厳しい冬の休日にはどのような気持ちでいるのか。太陽の光がどれほど貴重なものなのか、その気候での生活を知り、地域の技術や文化への敬意と理解があって初めて生みだせる設計やデザインがあると信じています。