CORE DRY HOUSE / 北海道東川町

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この住宅は北海道のほぼ中心に位置する東川町に建つ木造住宅です。旭川市の隣町である東川町は古くから木製家具の生産地として有名で、近年は地域の強みを活かしたまちづくりにより人口が増えている希少な自治体でもあります。冬の気候はとても厳しく、-20℃を下回ることもあり、北海道有数の厳寒地でもあります。

本計画は、東川町で家具工房を営む家具職人の家族のための住宅で、冬季に温かく過ごせることや、ランニングコストを抑えること、北海道らしい温かみのある住まいであることを望まれていました。

設計としては、温熱環境の充実と建設コストのバランスを図るため、建物をトラス屋根によるシンプルな総二階とし、合理的で表面積が小さく、熱損失を抑えた計画とすることを考えました。具体的な断熱気密の性能としては、「Ua値0.34:W/㎡Kの断熱性能、C値0.3:c㎡/㎡」ですが、南側の大きな窓、室内を開放的につくるなど、建築的な工夫も加えて、室内の温度ムラがとても小さく、快適でランニングコストが小さい住宅とすることができています。

また、この住宅は「コアドライ」という道立林産試験場で開発された「カラマツ芯持ち乾燥材」をはじめ、ナラ材、ホタテ漆喰、煉瓦などの道産材を使用しており、細部に至っては施主と細かい打ち合わせを重ね、場合によっては試作品をつくるなどして、とても充実したプロセスの中で建物をつくることができています。

気候や材料そして施主のパーソナリティに率直に向き合うことで、結果として合理的で北国らしい素朴な魅力の住宅になったのではないかと考えております。

所在地東川町
用 途一般住宅
構 造木造
規 模約100㎡
断 熱・屋根:ポリスチレンフォーム3種b 180mm
・壁:グラスウール 210mm
・基礎:ポリスチレンフォーム3種b 100mm
換 気1種