今回の計画では、とても幸運なことに敷地選定の段階から携わらせて頂くことになりました。このように早い段階からじっくりと設計を行えることは設計事務所(建築家)として、とてもうれしいことです。
敷地選定にあたっては、いくつかの候補地についてブロックプランを作成することからはじめ、外部空間の取り方や、内部空間への影響、地盤対策コスト、周囲からの日影の影響などを検証し、打ち合わせを重ねることで最良の選択肢に辿り着くことができたと考えています。 最終的に決定した敷地は敷地内に雑木が多く残り、旭川市内においてはあまり人気が高いエリアではありませんでしたが、ガーデニングが趣味で、庭と一体感のある落ち着いた住宅を望まれていた施主御夫妻にとっては最高に魅力的な敷地だと感じました。
設計は当初から、敷地内の雑木を出来るだけ伐採せずに活かした配置計画とすることを提案させて頂きました。そうすることで建物がずっと以前からこの場所に存在していたかのような落ち着きをもったものになるだけでなく、施主の趣味であるガーデニングを加えることでいっそう一体感のある魅力的な建物とすることができると考えたからです。 したがって、建物本体の計画も周辺環境の豊かさを最大限に活かす計画となり、室内の印象についてもそれらによって大きく特徴づけられるものとなっています。 具体的には南側の大きな開口部からは冬季に日射熱十分に得られあたたかい陽だまりを室内に作り出し、夏季には多くの緑を室内へと導き入れています。また、2階からは近隣のスキー場や丘陵を臨むことができ、1階とは全く異なる開放的な雰囲気を作り出しています。
デザインとしてはとてもオーソドックスな手法で計画された住宅ですが、丁寧に周囲の状況を考察し計画に取り込むことで、この場所が潜在的に持つ魅力を顕在化させる計画になったのではないかと考えています。
所在地 | 旭川市 |
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用 途 | 住宅 |
構 造 | 木造 |
規 模 | |
断 熱 | ・屋根:ポリスチレンフォーム3種b 180mm ・天井(一部):ブローイング吹込 300mm ・壁:グラスウール 210mm ・基礎:ポリスチレンフォーム3種b 100mm |
換 気 | 1種 |