WOODEN PLATE ROOF HOUSE / 北海道東川町

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[自然豊かな厳寒の大地に建つ住宅]
敷地は大雪山連峰に囲まれた東川町で、周囲には水田が広がり、山並みに囲まれたとても自然豊かな場所です。冬期には-20℃を下回ることも珍しくなく、北海道でも有数の寒冷地で、自然の豊かさと厳しさが同時に存在する環境です。こうした厳しい環境のなかでも、日々の暮らしを楽しいものとできるように、しかし同時にコストを抑えることを意図してこの住宅をつくりました。


[外部空間を楽しむ]
この場所の最大の魅力は何といってもパノラマに広がる上川盆地の風景です。このパノラマの景色を室内に居ても存分に体感できるようにするために、最も視界が開けて冬期の日射取得も期待できる南側に建物の長辺(12.7m)を向け、2階にLDKをワンルームで設置する計画としました。そうすることで、LDKは景色と一体になり、家族はいつもこの場所に住まうことを実感することが出来ます。また、外部にあっては2階に1間の奥行きのテラスを空中にせり出すように設け、開放的に抜ける空気を感じながらこの場所を感じることが出来ます。また、1階外部には、子供室の正面に小さな「あずまや」を設けることで外遊びの起点となる場所をつくり、子供室からも直接アクセスできるようにして、楽しくこの環境を楽しめるようにしています。このあずまやは夏だけでなく、冬にはに雪が覆いかぶさることで、自然にかまくらになり、冬期においても楽しく遊ぶことが出来るようになっています。

[開放的で温度ムラのない温熱環境]
主屋は8間×2.5間の総2階のコンパクトなかたちにすることで、表面積が少なくなり、冬期の熱損失を少なくすることに役立っています。断熱の仕様については外壁210mm断熱を基本とし、Ua値0.28の温かくランニングコストが少ない設計となっています。また、木造折板構造による屋根は、断熱層と構造を一体化させたモノコック状の断熱屋根で、建物全体の高さを抑え、無柱無梁の視覚的にも空間的にも広がりのある室内を作り出し、快適で温度ムラのない開放的な室内空間を実現しています。

所在地東川町
用 途一般住宅
構 造木造
規 模約120㎡
断 熱・屋根:EPS断熱材 120mm+高性能グラスウール 100mm
・壁:高性能グラスウール 210mm
・基礎:EPS断熱材(外側 100mm+内側 50mm)
換 気1種