各社の断熱性能をざっくり比較する方法。

「家電を選ぶように断熱性能を選ぶ」をテーマに始めたこの温熱環境コラム。断熱や気密、温熱環境のことを出来るだけわかりやすく書いてみようという試みですが、今回は初回ということもあり、「断熱性能をざっくり比較する方法」ということにしたいと思います。一般的な温熱環境の説明では、建物全体の性能についての説明から、部位毎の性能、断熱材の種類や施工方法。コストそして、気密の方法や換気、熱源などなど、なかなか回りくどくなってしまいますので、ここはまず基本となる断熱性能をあくまでも「ざっくり」比較できるように、イメージしやすい内容から初めてみたいと思います。あくまでもこれから断熱や気密のことを知りたいという断熱初心者の方向けの内容ですので、よろしくお願いいたします。

 

●断熱性能は種類と性能

住宅展示場や工務店、設計事務所などに行くと「ウチの断熱材は高性能の〇〇です!」とか「ウチは〇〇mm断熱です!」などセールスをされることも多いかと思います。けれども結局のところ実際にはそれがどのくらい優れているのかよく分からないのではないでしょうか。少し理解すれば基本的にはそれほど難しいことではないので、これから住宅展示場や工務店を回って検討したいという方、特に温かい家に住みたいという方の為が説明を受けた際に助けとなる資料として下図を作ってみました。

そう、これらは全て「大体同じくらいの性能」なのです。 色々並んで種類や厚さも違いますが、種類や厚さだけに惑わされてはいけません。性能が良い断熱材でも薄ければ意味がありませんし、性能が低い断熱材でも厚さが十分であれば、きちんと断熱性能は発揮されます。

当たり前のことですが断熱性能「何を(種類)×どのくらい(厚さ)」ということで決まります。

住宅展示場や工務店、設計事務所を回ったときに、断熱性能について質問するときは「何を(種類)×どのくらい(厚さ)」と聞いて、後から自分で比較してみると、何となくですがどのくらいの差があるのかイメージできるのではないでしょうか。

次回のコラムではもう少し詳しく、断熱材ごとの性能を表にしたものを使って、簡単に比較できるようにしてみたいと思います。